こんなお悩みありませんか?
- 身長が縮んできた気がする・背中が丸まってきた
- 転倒して骨折し、長期間動けなくなることが心配
- 骨密度検査を受けたことがない
- 閉経後・ステロイド薬を使用中で骨への影響が心配
- 慢性腎臓病があり、骨の状態が気になる
このような症状でお困りの患者様は、お気軽に当院へご相談ください。
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨の量(骨密度)が減少し、骨の微細構造が壊れて骨が折れやすくなる疾患です。国内の骨粗しょう症患者様は約1,590万人(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版)とされ、そのうち女性が約1,180万人を占めます。にもかかわらず、実際に治療を受けている方はわずか138万人で、推定患者数の約9%に過ぎません。約1,000万人以上が未治療のまま、骨折リスクに晒されていることになります。閉経後の女性や高齢者に多くみられますが、男性や若年層でも発症することがあります。
骨折が起きやすい部位は、背骨(椎体)・大腿骨頸部・手首(橈骨遠位端)です。特に大腿骨頸部骨折は長期臥床が必要となり、認知症・廃用症候群・生命予後の悪化につながるリスクがあるため、早期発見・予防が重要です。

症状
骨粗しょう症は骨密度が低下しても痛みなどの自覚症状がほとんどありません。「いつの間にか骨折(椎体圧迫骨折)」が起きて背中が丸くなる・身長が縮む・慢性的な腰痛が現れてはじめて気づくケースが多くみられます。
以下に該当する患者様は特にご注意ください。
- 閉経後・高齢の女性
- ステロイド薬を長期服用している
- 慢性腎臓病(CKD)がある(腎性骨異栄養症のリスク)
- 過度な飲酒・喫煙習慣がある
- 家族(特に母親)が骨粗しょう症・大腿骨骨折を経験した
原因
骨は「骨を作る(骨形成)」と「骨を壊す(骨吸収)」のバランスで成り立っています。閉経後はエストロゲンの分泌が急減し、骨吸収が骨形成を上回ることで骨密度が急速に低下します。カルシウム・ビタミンD・ビタミンKの不足、運動不足、日光不足も原因となります。
慢性腎臓病の患者様では、腎臓でのビタミンDの活性化障害・カルシウム・リンの代謝異常が起き、骨病変(腎性骨異栄養症)が生じることがあります。当院では腎臓内科の専門的な視点から骨の管理も行っています。
治療
診断には骨密度検査(DXA法:二重エネルギーX線吸収法)を用います。若年成人平均値(YAM)と比較し、70%未満を骨粗しょう症と診断します(日本骨粗鬆症学会ガイドライン)。
薬物療法
- ビスホスホネート製剤:骨吸収を抑制し骨密度を高める効果が期待されます。週1回または月1回の内服・注射があります。
- 抗RANKL抗体(デノスマブ):6ヶ月に1回の皮下注射。骨吸収を強力に抑制します。
- 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):閉経後女性に使用されます。乳がんリスクを高めない形でエストロゲン様作用を発揮します。
- 活性型ビタミンD製剤・カルシウム製剤:骨形成の基盤となる栄養素を補います。
- 骨形成促進薬(アバロパラチド):骨折リスクが高リスクに該当する方に使用。使用期間は最長18ヶ月。
- 骨形成促進+骨吸収抑制薬(ロモソズマブ):骨折リスクが最高リスク、重篤な既存骨折がある方に対して、強く推奨される(ガイドライン2025)。使用期間は最長12ヶ月。
生活習慣指導
カルシウム(目安:1日800mg以上)・ビタミンDの摂取、ウォーキングや筋力トレーニングなどの荷重運動、転倒予防対策(室内環境の整備など)を組み合わせます。
注意事項
薬物治療は長期継続が重要です。腎機能が低下している患者様では薬剤・用量の選択に注意が必要なため、専門医に相談のうえ継続してください。
院長からひとこと
「骨のことは整形外科に行けばよい」と思っている患者様も多いと思います。しかし、慢性腎臓病をお持ちの患者様では、腎機能の低下がビタミンDの活性化やカルシウム・リンの代謝に影響し、骨が特にもろくなりやすいことがわかっています(腎性骨異栄養症)。骨折してからでは遅く、内科の立場から腎機能と骨の状態を同時に管理することが、この疾患においては非常に重要です。気になる症状やリスク因子がある患者様は、お気軽にご相談ください。
監修医師
鶴岡 歩(つる内科クリニック院長)
循環器内科・腎臓内科を専攻後、大阪府済生会千里病院 千里救命救急センターおよび大阪市立総合医療センター 救命救急センターにて救命救急医・集中治療医として勤務。カテーテル治療・血液浄化療法を専門とし、2026年10月につる内科クリニックを開院。日本内科学会総合内科専門医・日本循環器学会循環器専門医・日本腎臓学会腎臓専門医をはじめ、救急・集中治療・脈管・IVR(画像下治療)など多数の専門医資格を保有。